関谷孝文税理士事務所

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退職金に係る税金②

概要

退職金にかかる税金について基本的なことを以下に記載しています。

今回は、退職金を2回受け取る場合について説明します。

「退職金を2回受け取るなんてことない」そうお考えの方もいらっしゃると思いますが、以下のような場合には、退職金の支給が2回になるケースがあります。

1回目の退職金 会社からの支給

2回目の退職金 idecoの解約一時金

厳密に言えば、退職金を2回支給するというよりは、退職所得となる収入を2回受けるという言い方になります。

投資をされている方が増えている中で、投資+節税になるiDeCoをやっている方も多いかと思います。会社から退職金の支給を受け、iDeCoの解約で2回目の退職金となると1回目の退職金の支給からどのくらいの期間が空いているのかによって税額に影響があります。今回はその2回目の退職金の計算について解説します。

退職所得控除の調整

退職金は、支給を受けた前何年以内に、他の退職金を受けた場合には退職所得控除の調整の規定が発動します。

退職所得控除の調整とは、1回目の退職金と2回目の退職金を受ける時に計算する退職所得控除について、一点の場合には重複している期間を除いて計算するという規定です。例えば下記図の場合には32歳から60歳までの期間が、iDeCoの加入期間と会社の勤続年数が重なっています。2回目の退職金の退職所得控除の計算時には、32歳から60歳をなかったものとして61歳から63歳までの期間で退職所得控除を計算することになり、退職金の金額によっては税金の計算に大きく影響します。

以下の要件に該当した場合、退職所得控除の調整が発動します。

iDeCoの解約一時金・・・支給を受ける前19年以内に他の退職金の支給を受けた場合には退職所得控除の調整あり

会社からの退職金・・・支給を受ける前5年以内に他の退職金の支給を受けた場合には退職所得控除の調整あり

iDeCoの退職所得控除の調整の発動が、支給を受ける前19年以内に他の退職金の支給を受けた場合となっており、この調整計算を回避するには、iDeCoの解約から20年後に他の退職金の支給を受けなくてはなりません。しかしiDeCoは60歳以降でしか解約できないためそこから20年後の80歳で退職金を受け取るという現実的ではない話しになってしまいます。従ってiDeCoの解約一時金と他の退職金を受ける場合には、まずiDeCoの解約一時金を受け取って5年後に会社からの退職金を受け取ることで退職所得控除の調整の規定が発動せずに退職金を受け取ることができます。

退職所得控除の調整計算は、難しい内容になっています。知らないというだけで損をしてしまう世の中です。税金で損をしたくなければ税理士へご相談ください。

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